読書メモ(2009年5月その1)
旧約聖書〈5〉サムエル記/池田裕(訳)/岩波書店
- 作者: 池田裕,旧約聖書翻訳委員会
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/01/29
- メディア: 単行本
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張作霖爆殺―昭和天皇の統帥 (中公新書)/大江志乃夫
- 作者: 大江志乃夫
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1989/10
- メディア: 新書
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興味深いのは、ワリを食わされちゃった格好の田中義一でしょうかね。陸軍の実力者でありながら、立憲政友会(政党)にかつがれて総裁→首相となるも、古巣の陸軍がおこした不始末が原因で失脚してしまうという…。
古典学入門 (岩波文庫)/池田亀鑑/岩波書店
- 作者: 池田亀鑑
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1991/05/16
- メディア: 文庫
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テクストクリティークの重要性は文学でもそうなんですけど、歴史学でもやかましく言われることなんで、本書は歴史文献学の参考書としても読めますね。難しい内容にもかかわらず、平易な叙述でなかなか読みやすいです。
火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ジョン・ディクスン・カー/早川書房
- 作者: ジョン・ディクスン・カー,小倉多加志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/05/01
- メディア: 文庫
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といっても、最後の最後のオチ(逆転)は本格派からすると邪道も邪道で噴飯モノなんだろうけど、それでも三つの毒殺事件(17世紀、19世紀、20世紀)をダブらせ、共通の女毒殺魔の存在をちらつかせるという構成、身近な人間に対する疑惑の恐ろしさ、怪異の正体が暴かれていくスリリングさ、それがまた引っくり返される快感(いや、こういうのってアンフェアでもたまらないのよ…)。
カーの悪癖でもありウリでもある怪奇趣味や歴史趣味が過剰になりすぎずに、適度なスパイスとして効いているのもいい。
〈宗教化〉する現代思想 (光文社新書)/仲正昌樹
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/06/17
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- 安易に「答え」を求めようとするな
- 絶対の「答え」を求めようとするな
- 哲学は「答え」を求めるためのツール、過程に過ぎない
著者の主張を要約すれば、こんな感じだろうか?
タイトルに「現代思想」とあるが、キリスト教の二元論の影響を受け継ぎながらも、神無き近現代の「宗教」として発展してきた西欧哲学の限界性を指摘し、そうした背景に無自覚のまま、海外の流行思想を次から次へと消費してきた日本の思想界隈の危うさについて警鐘を鳴らすスパンの大きな本である。
哲学とは哲学批判なりとは、どっかの誰かも言っていたな…?
黒船前後・志士と経済 他16篇 (岩波文庫)/服部之總
- 作者: 服部之総
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1981/07/16
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薩長、勤皇志士、新撰組…と人物本位で語られがちな幕末明治史も「経済」という視点で見直すと、新しい視点が見えてくるし、一国史も当時の世界情勢という枠においてみると別のものが見えてくる。
あと黒船の構造的考証とか、幕末志士の商売とか切り口も面白い。
野沢尚のミステリードラマは眠らない/野沢尚/日本放送出版協会
野沢尚のミステリードラマは眠らない―あなたにこの物語は書けない!
- 作者: 野沢尚
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2000/10
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ジャングル・クルーズにうってつけの日(ちくま学芸文庫)/生井英考
ジャングル・クルーズにうってつけの日―ヴェトナム戦争の文化とイメージ (ちくま学芸文庫)
- 作者: 生井英考
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/02
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