『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三

新潮文庫から復刻されたマルチタレント故伊丹十三氏の処女エッセイ。
伊丹十三といえば「マルサの女」の映画監督…ぐらいの認識しかなく、その映画にしても格別ファンというわけでもなく、もちろんこのエッセイもはじめて。買ったのはタイトルとコピー(「この本を読んでニヤッと」云々に、帯の「この人が『随筆』を『エッセイ』に変えた」)、トドメは著者自装のカバー。


たしかに「エッセイ」だね。徹頭徹尾著者本人の個人的なコダワリが中心にあって、"文士"が手遊びで書く「随筆」とは全然違う。いわゆる芸能人エッセイ本のハシリみたいなものが、本書なのかもしれない。


ただ私にはちと合わんかった。
ここはやはり嗜好の違いの問題なのかな。
著者のコダワリに対する共感が薄いのがノレない原因で、
俺のようなインドア人間が読むべき本じゃないのかもね。
同世代の方なら、その点(懐かしさで)埋められるんでしょうけど。

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)