2006/08/22(火)読メモ

『果てしなき戦い』ピーター・カーター

犬飼和雄訳、ぬぷん児童図書出版、1977年
※図書館。8〜9世紀の英国を舞台にした児童歴史小説。バイキングに故郷を略奪され連れ去られた少年の遍歴を描く。この時代を題材にした児童歴史小説というとサトクリフを思い出すが、作風は対照的。サトクリフ作品が女性的だとすれば、これはえらく男性的(当たり前)、ゴリゴリのハードボイルドで「カムイ伝」風味な世界観である(思想的にも近い)。陰惨に継ぐ陰惨な展開*1で、読んでて疲れた…たしかに史実に忠実なんだろうが。

『中国仏塔紀行』 長谷川周

中国仏塔紀行

中国仏塔紀行

※図書館。中国各地の仏塔写真集。日本のソレと比べると、(タテモノ自体も周囲の景色も)乾いた感じがするものが多い。戦火の続いた大陸で残っているのは耐火性の煉瓦造や石造が多いため…と思ったら木造の仏塔もある。

『駅前旅館に泊まるローカル線の旅』 大穂耕一郎(ちくま文庫

駅前旅館に泊まるローカル線の旅 (ちくま文庫)

駅前旅館に泊まるローカル線の旅 (ちくま文庫)

※図書館。出不精のくせに、こういう本をよく読む。触発されて旅立つでもない。ダメだな。著者はいわゆる鉄チャン、鉄オタの人。ローカル線と駅前旅館への愛情がヒシヒシと伝わってくる。単なるノスタルジーだけではない、厳しい現実を見つめながらの旅だが、ユーモアを忘れない姿勢は立派。

*1:拉致あり虐殺あり陰謀に裏切りあり拷問あり…。