『ハーディ短編集』 トマス・ハーディ(新潮文庫)


『ハーディ短編集』
トマス・ハーディ(著)/河野一郎(訳)
新潮社(新潮文庫)、1957年、絶版・品切、ISBN:4102108033


図書館。英文学。小説。
19世紀イギリスの文豪トマス・ハーディの短編集。

  • 「妻ゆえに」…見栄のために旦那や息子を失い転落乙
  • 「幻想を追う女」…人妻と詩人との脳内恋愛中毒乙
  • 「わが子ゆえに」…子煩悩ママの悲劇
  • 「憂鬱な軽騎兵」…ヘータイさんと来ればラブロマンスですよ(18世紀が舞台)
  • 「良心ゆえに」…これは"良心"…なのか?(エゴだよエゴ)
  • 「呪われた腕」…病は気から…あるいは素人療法の悲劇
  • 「羊飼の見た事件」…羊飼は見た!(「家政婦は見た!」風に)
  • アリシアの日記」…ハーディ風にエマ*1を描くとこ〜なる

ふざけたコメントで済みません。悲観的運命論者とか、クラいだなんだと言われていますが、ローカルなテーマを詩情豊かに描写するところが好き。この短編集は物語作家としての達者さがよく出ている…感じですね。ある意味昼ドラな世界なんですが、短編として凝縮・彫琢されているので『テス』『日陰者ジュード』のような大作作品よりは読みやすい(訳も平易です)。

*1:あのメイド漫画のことではない。ジェーン・オースティン『エマ』の女主人公のことである。