2006/06/13(火)読メモ

『ファンタジー・ブックガイド』 石堂藍

ファンタジー・ブックガイド

ファンタジー・ブックガイド

※著者は「幻想文学」誌のファンタジー評論家。同誌と同じくバリバリの幻想文学寄りで、古典作品のセレクトが多い。あいかわらずの博捜ぶりには感心するが、堅い文章にやや疲れる(単調さを自覚しているのか、部分部分で調子を変えている(ケーハク調)のだが、これがまた見事に×)。あと、取り上げた一部の本に対する、あからさまに気乗りのしないコメントも×。とはいえ、量・質のバランスが取れたいいブックガイド(ただしクロウト向け…だろうが)。

『ファンタジー万華鏡(カレイドスコープ)』 井辻朱美

※図書館。(詳しい感想→

『世界の博物館13 -エルミタージュ博物館』 加藤九祚(編)

※図書館。テラ懐かしス。世界の博物館についての大型ビジュアル本シリーズの一冊。レニングラード*1(現サンクトペテルブルグ)のエルミタージュ博物館。このシリーズの特徴は"美術館"ガイドじゃなくて"博物館"ガイドだということ。いわゆる名品・名画コレクション中心の構成を排し、展示の全体像を紹介する*2というのがイイ。イレモノである博物館自体の紹介*3も充実しており、データこそ古いが単なる名品図録とは一線を画した面白い内容。

*1:別にこの旧称に執着があるわけではない…念のため。

*2:美術ガイドで見落とされがちな工芸品などにも紙数が割かれている。

*3:エルミタージュの場合は冬宮という歴史的建造物。