『アクアリウムの夜』 稲生平太郎(角川スニーカー文庫版)

図書館。「幻想文学」誌読者にはお馴染みの稲生平太郎氏の青春ホラーミステリー長編。1990年刊の単行本の文庫化である。つ〜かよりにもよってスニーカー文庫(苦笑)。解説の篠田真由美さんが、あの手この手で苦心のコマーシャルしてますけど、表紙(緒方剛志)に魅かれて手に取ったヤングなラノベ読者は一読するなり(゚д゚)ハァ?…って感じじゃ。


青春ロックバンド、喫茶店こっくりさん、霊界通信、宇宙からの電波受信*1…あ〜懐かしいねと思えてしまうのは年齢がバレるよな。道具立ても物語も文体もオールド趣味で俺好みの世界だ(笑)。文書や草稿の使い方は、M・R・ジェイムズなどの正調英国怪談を思い出したが、始終雨が降っているかのように思えるどんよ〜りとしたフンイキは日本的だと思う。


そのフンイキを楽しめるか否かだろう…俺はもち前者だが。

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

*1:これは別に懐かしくもない?