2006/08/24(木)読メモ

『英国紅茶論争』 滝口明子

英国紅茶論争 (講談社選書メチエ)

英国紅茶論争 (講談社選書メチエ)

※図書館。"紅茶論争"と呼ばれる文化摩擦を軸に、17〜18世紀英国の紅茶受容の歴史を語る。メインの"紅茶論争"について掘り下げ足りない上、散漫なのが残念。当時の「茶書」*1を手がかりに、当時、飲まれていた茶*2及び飲み方を明らかにしようというのは興味深い。

ユートピアの系譜』 ルイス・マンフォード

ユートピアの系譜―理想の都市とは何か

ユートピアの系譜―理想の都市とは何か

※図書館。ユートピアを、"逃避の"ユートピア(よ〜するに桃源郷)と、"再建の"ユートピア(社会改革のための青写真、理想プラン)とに分類、プラトンから現代までの後者の系譜をたどる。西欧中心主義…は仕方ないとはいえ、前者と後者を明快に選別してもいいものだろうか…という思いはある。

*1:その一冊、レットサム『茶の博物誌』は著者によって訳されている。

*2:当時飲まれていたのは「紅茶」というより「緑茶」や「烏龍茶」だったらしい。挙げられているお茶の名前が、現在のどのお茶にあたるのか…ここらへんの検証がいまひとつなのが物足りないが、それでも興味深い。