地球全土を通り過ぎた暴風の後、
突如宇宙にあらわれた謎の天体。
鳩の飼育をする孤独な少年が気付いた、
その天体の驚くべき正体とは…?
図書館。少年、卵*1、宇宙…の三題噺みたいな児童SF。ナニこのバカSF(笑)…と濃いSFファンなら爆笑モノのアイデアで突っ走るSFパートが、B級特撮映画を思わせるような悪ノリ*2なのとは対照的に、主人公をめぐる日常パートは淡々としていてあくまで地味で堅実。この好対照はウマイもんだと思う。メリケン的な派手なハッピーエンドの仮定を(少年の夢想として)提示しながら、ささやかに終わる結末はいかにも英国作家っぽい*3感じ。