2006/08/28(月)読メモ

『お茶のある暮らし』 谷本陽蔵

※図書館。老舗のお茶屋さんのご主人が語るお茶のアレコレ。
あくまでも小売り業者さんからの視点なのだが、格式やら伝統やら古い価値観にはこだわらず、カジュアルにいただくお茶を推奨している点が面白い。日本茶のみならず、中国茶、紅茶と話題も豊富。

『庭園の歓び』高木昌史(編訳)

※図書館。「詞華による西欧庭園文化散策」と副題にあるように、西欧の庭園を主題にした文学作品を集めたアンソロジーゲーテをはじめとするドイツ語圏の文学*1に限定したアンソロジーというのは珍しい。エッセイあり、詩*2あり、本格的な論考からの抜粋ありと多彩な内容。

*1:ギリシア・ローマの古典作品なども含まれているが、その翻訳にもドイツ語圏の注釈テクストを使用している。

*2:アイヒェンドルフの「ロココ王子」にはちょっとワロタ。「ロココ王子よ、あなたは小路を/木々で正確に測定し、/そしてそれらを剪定させた、/だから木々はもう森の夢を見られない。/(中略)森の毛を刈り取らぬままにせよ、/あなたが思っていたのとは違う木々のざわめき、/森は春と誓い合った、/そこでは、春は夜の間にやって来る。」(pp38-40)。18世紀の整形庭園から非整形庭園へ…というトレンドの推移を踏まえると面白い。