『異端審問』 渡邊昌美(講談社現代新書)
- 作者: 渡辺昌美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 新書
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著者の渡邊センセは『中世の奇蹟と幻想』『異端カタリ派の研究』など心性史、宗教思想史畑の研究で知られる方なので、審問される側("異端")からのアプローチかと思いきや、意外にも審問する側(異端審問官)のメンタリティーに注目したアプローチ。映画「薔薇の名前」*1に悪役(!)として登場した異端審問官ベルナール・ギー*2の意外な実像についても紹介。
異端審問が(中世においては)驚くほど整備された裁判制度だったこと、および「魔女狩り」「ユダヤ人虐殺」のような集団ヒステリー的な迫害とはやや一線を画していたことが分かる(ここは俺も誤解していた)。