『驚異の部屋』 エリーザベト・シャイヒャー
- 作者: エリーザベトシャイヒャー,松井隆夫,松下ゆう子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1991/01/01
- メディア: 大型本
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お高いだけにカラー図版は美麗。工芸品の類は細部も気になるだけに、これだけ鮮明だとなめるように堪能できるというものである。特に置時計(33頁)と天球儀(141頁)は…お持ち帰りしたいなあ…出来るものなら(笑)。惜しむらくはカラー図版がやや少ないことだろうか。あと図版のセレクションは、奇妙キテレツな物(ドラキュラの肖像画とかマンドラゴラとか畸形とか)よりも、美術工芸品を優先しているので、その点やや好みが分かれる。
テクストは"遊び"がない…というか、とにかく堅く生真面目(いかにも美術館員が書いた解説書みたいな〜)なのだが、上記ハプスブルク家の蒐集活動をメインに、Wunder Kammer(驚異の部屋)の成立と盛衰をドイツ語圏中心に手堅くまとめており、この手のテーマの概説としてはよく出来ている。