ルートヴィヒ【復元完全版】(1972年/洋画)


「衛星映画劇場 名匠ヴィスコンティ生誕100年」その三。
バイエルンの狂王ルートヴィヒ二世の生涯を描く歴史大作。四時間は長い…と思って未見だったんですけど、覗き見趣味で頑張って見た。なにせ"復元完全版"だし。『鳴りひびく鐘の時代に』を読んだ後だと、ルートヴィヒとアルヴィド王が重なって見えてしまう。帝王教育の悲劇。ルートヴィヒにもヘルゲやエンゲルケにあたる人はいたんですけどね…「王」としての自負*1が強い分、逃げ切れずに、破滅していったのは哀れとしかいいようがない。


どんどん荒んでオタクっぽく(苦笑)なるルートヴィヒは、青年期はともかくそれ以降はアレですけど、弟君が初々しい美少年でオネエサマ大喜びぃぃとか思っていたら、狂気の世界の住人に(ちょっとショック…史実とはいえ)。あとちょいワル…どころか大ワルのワーグナーみのもんた似だ…)には苦笑。カネも女も他人から毟り取っといて…マイホームパパ面してるんじゃねえェ!


某所で実況しながら見てたんですが、美青年(侍従)のケツのシーンで、
アッー!の一声がかかった…やっぱり。
(2006年11月23日、NHK-BS2

*1:資質はともかくとして、「王様」としてのヤル気はあったらしいのだが、彼のいだいていた「王様」像がひと昔前(中世・近世の王侯)のイメージであったところに悲劇があったわけで。