ヘルハウス(1973年/洋画)


■ヘルハウス(1973年/イギリス)
原題:THE LEGEND OF HELL HOUSE
原作:リチャード・マシスン『地獄の家』*1
監督:ジョン・ハフ/脚本:リチャード・マシスン
出演:パメラ・フランクリン 、ロディ・マクドウォールほか
参照→ヘルハウス - 映画情報 allcinema ONLINE


死後の世界に興味があるワガママな大富豪が、いわくつきの幽霊屋敷の調査を企てる。通称ヘルハウス(地獄の家)…悪徳の限りを尽くし謎の死をとげた大富豪"咆哮する巨人"エメリッヒ・ベラスコの旧邸宅である。挑むのは霊媒二人(男女)に、物理学者夫妻という混成チーム*2


…な〜んてシチュからはじまる本作は、集団による幽霊屋敷調査という名作映画「たたり」でも使われた幽霊屋敷モノの古典的フォーマットにのっとりながら、霊現象の超能力的解釈というSF要素を絡めて、より新しい装いをまとわせており、古典ホラーと米国産モダンホラーの橋渡し的な作品。


久しぶりに見ると、あらためてエロい映画だな〜と。なんせ、女性陣は幽霊にセクハラされまくり〜ですから。男二人は目立たない(片や典型的な学者の朴念仁だし、片や過去のトラウマで去勢状態の兄ちゃんであります)。女霊媒役のパメラ・フランクリンは幽霊相手にベッドシーンだし(相手は霊体ですから…その大丈夫なんだろうけど)。ある意味、下手なポルノ映画よりも扇情的
(ま、原作もけっこう過激ですけど映像化されると違う)。


原作に比べると説明不足が目立ったり、ラストがやや腰砕けな結末だったり…と尺の短さ(94分!一時間半…だなんて)の弊害がモロに出ていますが、全体的に原作のテイストをコンパクトにまとめた映像化という感じ。カラーなのに、どこかモノクロを感じさせる色合いも陰鬱で素敵。あと美術もシックな潤いがあってマル。ホラー映画の古典としては外せない秀作。
(2007年1月20日、DVDビデオ視聴)*3

*1:リチャード・マシスン『地獄の家』ハヤカワ文庫NV(ISBN:4150401489)。

*2:霊媒は過去の無残な失敗に終わった調査の唯一の生存者ということもあって、とことん消極的。女霊媒はお宗旨がかった使命感に燃える、ちょっとアレな人。で、物理学者は唯一の知性派と思いきや、たんに自分の理論に固執する頭デッカチ。奥さんはただついてきただけのパンピー…と見事なまでにバラバラなんだコレが。

*3:DVDの画質は思ったほど悪くなかった。