処女の泉(1960年/洋画)


タイトルの"処女"の文字に反応して見たら(´・ω・`)…となったヤツは絶対にいるだろ(苦笑)。中世北欧の奇跡譚(キリスト教の有難いお話)に題材をとったと思われる北欧の巨匠イングマール・ベルイマンの歴史劇。ベルイマン作品だからということで、いろいろ難しく解釈されているようですが、ベースとなるのはカミサマがこれこれこういう奇跡をお示し下さった…みたいな話ですから、死体の下から水がボコボコ沸き出しても(゚ε゚)キニシナーイ! 実写映画…しかもリアリズムなスタイルで撮ると、こういう「奇跡」描写が浮くのは致し方がないかなあ。アニメとかなら、違和感なく描写出来るかもしれんですけど…。


にしても暴行殺人シーンは…もっと過激なシーンなら現在いくらでもあるんでしょうが、即物的な描写の積み重ねとウェットな感情を排した乾いた演出で、惨たらしいほどにリアル。事後にフラフラしたところを、棍棒でボコッ…こんなのもん見せられたら、否がおうにも親爺の復讐に同調する(実行犯でもなく、改心の兆しもあった子供までぬっ殺すのはやり過ぎだったと思いますが)。復讐を終え、娘の惨たらしい死体を目にした父親は、神の不在を詰りつつ、それでも自分の心の救済と贖罪のために教会を建てるという。これは聖書のヨブ記を踏まえつつ、一方でベルイマン本人の宗教観を示すシーンでもあるのかも。で、泉がボコッと沸き、チロチロと流れ出る水…たしかに陳腐だけど笑いたくは無い。


しっかし「第七の封印」やらんのかなぁ。中世繋がりということで。
(2007年12月6日、NHK-BS2・衛星映画劇場)