クレタ島のひみつ/たかしよいち/偕成社


クレタ島のひみつ』
たかしよいち(著)、寺島龍一(絵)
偕成社、1978年、絶版・品切、ISBN:4037200503


図書館。地下鉄から転落した男、残された古代の印章、それが全てのはじまりだった。古代クレタの財宝を狙う盗掘団の暗躍。巻き込まれた少年たちの冒険が、紺碧のエーゲ海を舞台に繰り広げられる…というお話。児童小説。子供の時に読んだことのある本。古代遺跡の謎とか古代文明滅亡のロマンとかに夢中で、いろいろと関連書籍(なかには"超"古代文明とかオーパーツとか「ムー」とか…)を読み漁ったものだが、これはノンフィクションじゃなく、フィクション(小説)で、歴史モノなく、古代文明ロマンと遺跡発掘を題材にしたもの。


読み返すと、さすがに古さを感じさせるところや、小説としてアレな部分(人間キャラクターの弱さ、構成のアンバランスさ)も感じるが、クレタ文明、古代船、発掘調査の実情など豊富な情報を盛り込みつつ、ハラハラドキドキと読ませる内容であるのはさすが。盗掘団に働かされていた漁夫のお爺さんが語るエピソードが妙に記憶に残っている。合成スポンジのせいで天然海綿の需要が無くなったから、商売あがったりでこんなことしなくちゃならないんだ〜とか。