ベッリーニ:歌劇「清教徒」(メトロポリタン歌劇場)


指揮:パトリック・サマーズ
キャスト:アンナ・ネトレプコ(エルヴィラ)、エリック・カトラー(アルトゥーロ)ほか
メトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)、2007年公演
NHK-BShi、2007年12月8日放送


METライブビューイングの再放送。清教徒革命のイングランドを舞台に、議会派(清教徒)の娘エルヴィラと国王派の青年アルトゥーロの恋の行方をえがく、ヴィンチェンツォ・ベッリーニの三幕のオペラ(イタリア語)。いま旬のロシアの歌姫アンナ・ネトレプコがヒロインのエルヴィラを歌う。合間合間にインタビューが入る仕様で、往年の歌姫ビヴァリー・シルズトークしたり、ルネ・フレミングが楽屋裏を見せたり、ネトレプコに突撃取材をしたりと、本編自体より「オマケ」の方が充実…まあ、それだけオペラ本編のドラマが糞ツマランということですかね。シルズ曰く、音楽は美しいけど筋は綺麗サッパリ忘れた…とのこと。


第二幕の有名な「狂乱の場」を含め、音楽的な充実は素晴らしいし、ネトレプコは声ばかりでなく目も演技で楽しませてくれますけど(第二幕の狂乱の場よりも、第一幕の大詰め、結婚式目前に恋人アルトゥーロに去られてしまう場面が好き。幸福の絶頂から絶望の底へのふり幅が絶妙)、やはり筋がアレなんで…第一、なんであの展開で全てが丸く収まってしまうんだ…? 演出も昔のプロダクションの再利用らしく、豪華でいかにも歴史劇っぽいだけで平板…。
(2007年12月8日、NHK-BShi)