ミス・マープル2「スリーピング・マーダー」/NHK-BS2


NTR(寝取られ)好きのマープル嬢


2006年に(日本でも)放映されたミス・マープル物の新作TVシリーズ(ジェラルディン・マクイーワン主演)の第二期。第一期の主演吹替は故岸田今日子さんだったが、今期は草笛光子さん…う、違和感。この新シリーズは原作改変とかドギツイ趣向とかでいろいろ評判が悪いんだが、お転婆お嬢さまがそのまま年食ったようなマクイーワンの役作りはナイスだと思うので、それだけに岸田姐のあの独特の喋りがマッチしていたのだが…惜しい人を亡くした。


原作はマープル物で一番好きな作品なのに…。オリジナル要素入れまくり&改変しまくりで、原作の面影が全然無い! 原作通りなのはメインプロット&設定と犯人…くらいか。ここまで改変するならば犯人もいっそ変えろと。過去の事件設定を弄ったり、同一人間トリックを使ったりという部分は評価出来るにしても、ラストの改変はなぁ。犯人変えない以上、グエンダに忍びよる魔の手→マープルさん噴霧器片手に大捕物…という原作を踏襲してもよかったと思う。オリジナルのキャラ(ホーンビーム)を出してグエンダとの甘〜いロマンスの果てに、NTRバンザーイなところもなぁ…スイーツ(苦笑)。


事件の鍵となる「モルフィ公爵夫人」(ジョン・ウェブスター)の一場面をとり入れたり(舞台上の絞殺シーンをしっかり見せる…悪趣味だけど)、ヘレンを旅まわり一座の花形役者という設定にしてミュージカルっぽいシーンを入れたりと視覚的に華やかなシーンが多かったのは悪くなかったけれど、全体的に見ると突っ込みどころが多すぎて、原作読者としてはツライ感じ。
(2008年06月23日放送)



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