読書メモ(2009年2月その1)
ノアの大洪水―伝説の謎を解く (講談社現代新書)/金子史朗
- 作者: 金子史朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1975/05
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室内と家具の歴史/小泉和子/中央公論社
- 作者: 小泉和子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1995/03
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中国の海商と海賊 (世界史リブレット)/松浦章/山川出版社
- 作者: 松浦章
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2003/12/01
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吉田健一 (新潮日本文学アルバム)
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/12/01
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ユカ坐・イス坐/沢田知子/住まいの図書館出版局
ユカ坐・イス坐―起居様式にみる日本住宅のインテリア史 (住まい学大系)
- 作者: 沢田知子
- 出版社/メーカー: 住まいの図書館出版局
- 発売日: 1995/04
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椅子(イス)にすわる…イス坐
大正〜昭和(戦前・戦後・現在)の80年。二つの生活文化のせめぎあいをえがきだす生活文化史。単に家具がどうこうというインテリア史ではない。畳やユカにすわるということをメインにしてきた日本に、椅子にすわるというライフスタイルがどのように浸透していったのか。現在、どういう状況なのか。
電動こたつ、フローリング、ホットカーペットの普及で、ユカ坐回帰の流れや、イス坐とユカ坐のチャンポン状況が生まれつつあるという指摘は興味深いですね。あと西欧の本式のイス坐生活についての分析も興味深い。
これがワタシたちの小説ベストセレクション70/マッグガーデン
- 作者: 二宮悦巳
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2006/06/29
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国際政治のキーワード (講談社現代新書)/西川恵
- 作者: 西川恵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/09
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漱石の夏やすみ―房総紀行『木屑録』/高島俊男/朔北社
- 作者: 高島俊男
- 出版社/メーカー: 朔北社
- 発売日: 2000/02
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本編そのものは、高島センセが繰り返し強調しているように、漱石がオフザケで書いたようなものなので(それでも鋸山の描写とかは面白いですね…行ったことがある場所だけに)、あまり面白いもんでもありません。むしろ、オマケである日本の「漢文」教育についてのエッセイがキモでしょう。
漢文とは要するに中国語の文章。が、日本人のならっている漢文「訓読」とは、言語音声を無視して並び替えただけの当座の便法。そんな当座しのぎの便法で日本人が四苦八苦して漢文を草してもカタコトにしかならない。そんな滑稽なものが国語教育として堂々と教えられている愚…謹聴謹聴。
ギリシアの政治思想(文庫クセジュ)/クロード・モセ/白水社
原著は1969年刊行。古典期以前、古典期、末期、ヘレニズム、ローマ期と分けて、古代ギリシアの政治思想を、時々の歴史背景を交えながら概説していく…オーソドックスな概説書。王制、寡頭制、民主制…最上の政治制度はいずれかという問いかけがポイントなわけですが、皮肉なことにプラトンをはじめとする知識人層で、民主制を積極的に擁護する声がほとんど無いという。
プラトン本人は、王制と寡頭制の中間あたりを考えていたようだし、アリストテレス、ソクラテスはそこまでいかないものの…やはり哲人は賢人政治→エリート政治を志向するものなんでしょうかね? もっとも、当時の「民主主義」というのも、現代とは全く違ったものであるから難しいんですけど。
歴史意識の芽生えと歴史記述の始まり(世界史リブレット)/蔀勇造/山川出版社
- 作者: 蔀勇造
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2004/10/01
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昔ならE・H・カー『歴史とは何か』(岩波新書)でしょうか。史記など中国の歴史記述についても触れられていますが、メインは西欧的歴史記述のルーツであるオリエント、ギリシア、聖書(ユダヤ・キリスト教)の歴史記述。聖書が歴史書である…というのは日本人の感覚からすると一見奇異に思えますが、循環する時の流れではなく、進行していく時の流れとしてとらえる聖書の史観(普遍史観)は、その後の歴史学にとって大きな影響を与えたわけだ。
枕に映画「ブレードランナー」(ディレクターズ・カット版)のエピソードを持ってきて、フムフムと引き込む書き出しがうまいなぁ…。
ヘマな奴ほど名を残す/ピーノ・アプリーレ/中央公論新社
- 作者: ピーノアプリーレ,Pino Aprile,泉典子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/09
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われわれは、みな間違いで今ここにいる。
レオナルド・ダ・ヴィンチも、
ネアンデルタール人も、
カエルもダニも。
(本書1頁)
これが「南の思想」というヤツでしょうか。
この本を読むというエラーを犯せば、次のようなことがわかる。
生命は偶然生まれたが、増殖したのはほかでもない、エラーのおかげである。
今日のエラーは明日の規則をつくる。
疑うことは最悪の間違いである。
やらかすはずのヘマはかならず誰かがやらかす。
権力者とは犯した過ちを他人に負わせることのできる者のことである。
(本書3頁)
教えて、マッツァリーノ先生(笑)。
ふところ手帖(中公文庫)/子母沢寛
- 作者: 子母澤寛
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1975/08/10
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仏教聖地・五台山―日本人三蔵法師の物語/日本放送出版協会
- 作者: 鎌田茂雄,NHK取材班
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 1986/03
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日本語練習帳(岩波新書)/大野晋
- 作者: 大野晋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/01/20
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史実を歩く(文春新書)/吉村昭
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/10/20
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忌品(トクマ・ノベルズ)/太田忠司/徳間書店
- 作者: 太田忠司
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/08/01
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今ひとたびの戦後日本映画/川本三郎/岩波書店
- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/03/24
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怪傑ドラマ小僧/麻生和也/二見書房
- 作者: 麻生和也
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2000/11
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ゲンと不動明王/宮口しづえ/筑摩書房
木曽の山奥のセイカン寺で育ったゲンとイズミの兄妹。ふたりは家庭の事情で引き裂かれ、わかれわかれの暮しをおくることになるのだが…。
木曽の山奥というローカル色
仏教的な思想の投影された幻想性
叙情的な文体
戦後児童文学の主流からズレた、戦前の童話伝統の影響を色濃く残すノスタルジックな作品という後ろ向きの評価がされていた作品なんですけど、そう切って捨てるには惜しい作品とも思う。ゲンとまま母のすれ違いなどに見られる細やかな感情描写とかは水上勉の『雁の寺』を思わせるものがあるし。
ちなみに映画化されたそうで、笠智衆、乙羽信子、三船敏郎(!)という超豪華キャスト。世界のミフネはなんと不動明王に扮したようで、感想レビューを見るかぎり、原作を大幅に脚色したエンターテイメントっぽいですが機会があれば、見て見たいものですねぇ。是非とも見たいもんだ…。
日本のミイラ仏をたずねて/土方正志(文)、酒井敦(写真)/晶文社
- 作者: 土方正志,酒井敦
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1996/07
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読んでいて『中世の奇蹟と幻想』(渡辺昌美)を思い出しました。あそこで紹介されている西欧中世のローカル聖者さんみたいな感じなんですよね。本書で紹介されている即身仏になった行者さんの伝を読むと。
叡山の諸道 街道をゆく16(朝日文芸文庫)/司馬遼太郎/朝日新聞社
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1985/07/01
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怪しい人びと(新潮文庫)/眉村卓
- 作者: 眉村卓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/03
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椅子と日本人のからだ/矢田部英正/晶文社
- 作者: 矢田部英正
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2003/12/01
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天平の少年(講談社青い鳥文庫)/福田清人
天平の少年―奈良の大仏建立・乱世に生きる二人 (講談社 青い鳥文庫―日本の歴史名作シリーズ)
- 作者: 福田清人,鴨下晁湖
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/09
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東京ディープな宿/泉麻人/中央公論社
- 作者: 泉麻人
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/08
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この本って、東京の住人とそれ以外の人にとっちゃ意味あいが全然違うよね。後者にとっては、東京宿泊ガイドとしてフツーに読まれ利用されうるワケなんだけど、前者にとっては東京内での宿泊というのは普段ありえない酔狂な行為なワケで、へぇ〜東京にこんなところあるんだ灯台下暗しというオドロキを誘うことになる。著者本人も前者だから、そういうノリで書かれているわけだけど。
セレクションはわりかし手堅い。宿そのものより周辺の散策がメインという展開が多いのがちょっと×。