ステート・ウイズイン7話(終)


▼ステート・ウイズイン〜テロリストの幻影〜|NHK BS2 海外ドラマ
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NHK-BS2 毎週水曜日23:00〜 全7回

ステート・ウイズイン7話:戦争への秒読み [2009年03月18日]

虐殺の実行犯、旅客機爆破の目的、"125個"のスイッチ、反政府勢力リーダーの暗殺、ルークの死を望んだもの…マークたちの奔走により、一連の事件の背後にあるひとつの陰謀の姿が浮かび上がる。証拠となるルークのビデオと資料をワーナー長官につきつけたマークだが、その口から漏れた真犯人の正体とは意外な人物だった。真相の行方は? 戦争の回避はできるのか…?


黒幕はアーミテージのCEOアデア。汚れ役がマッキンタイア(CMC)とスタイルズ(DIA)という役割分担。一時、ぁゃιぃとされていたオバチャン長官(リン・ワーナー)はマーク同様、まんまと利用されてしまったクチ。テロとスイッチでオバチャンを炊きつけて、マーク(英国大使館)をつかってチルギスタンの反政府勢力に接近していく、というのが(アデア側の)当初の目論見だったんでしょうが、綻びが出てしまって結局、露見ということらしい。


オバチャンがカラんでいたように、マーク本人も出来ることならばウズマン(現大統領)を引き摺り下ろしたいという気持ちがあるわけなんですよね、たぶん。オバチャン自身はその気持ちを隠そうともしない。そこがスタイルズ君の勘違いしちゃったところだろうけど。マーク自身はそういう私情を押し殺して、国際政治の倫理を出してくる。戦争開始までのギリギリの状況で、さあ誰が先に降りる(ギブアップ)のかとチキンラン紛いの台詞をはくリンとマークと(TVのウズマン)が睨みあう構図で幕。このあとどうなったのか。戦争は回避されたのか。最後まですっきりしない…意地が悪いなぁ(苦笑)。


最終回らしく、口封じのためにスタイルズを殺しにくるマッキンタイアを、スタイルズの元恋人だったニコラス(男色参事官)が迎え撃つという派手なシーン(若い男が倒れているところで、中年渋男が素手で殴りあうって…なんともお素敵ww)もありましたが、やはり中盤のマークとリンの対話シーンでしょうかね。探り合うような言葉のやり取りも凄かったけど、それ以上に顔芸。「困ったことに…なったわね」リンが否を認めるあたりの表情が…。


最後に、全体を振り返ってみてひとことふたこと…


旅客機爆破を発端とする米英対立という衝撃的なシチュエーションからはじまったこのドラマ、陰謀の後始末をめぐる米英の睨みあいという落とし方で終わったんですが、物足りない部分はあったにせよ、トータルとしては面白かった。何が正しいのか、誰が正しいのか、誰が味方で敵なのか、どことどこが繋がっているのか、全てがおぼろげな白とも黒ともつかぬ灰色の世界、ちょうど霧の中を右往左往しているような感じですね。そんな感じがフラストレーションとともに、次の展開が思わず気になる魅力となっていたかと…。


次に出演者の存在感かな…マークとリンは当然として、ニコラス、マッキン、ガルシアと渋いオジサマ俳優の健闘が目立ちますね。特にマッキンは弁護しようのない大悪役でありながら、どことなく忘れ難いキャラだったし。あとスピーディーな映像演出か、サスペンスの基本は緊張感にあると思っているので、多少筋が追いづらくてもスピーディーな映像演出のキレはよかった。


最後に…オトナの愉しみをありがとう。


英国ドラマ枠としてこのまま定着するかな〜と思ったのだが(つд`;)。
機会があれば、どこかで復活して欲しいよな〜。