この本10冊―2008年以前(その他)

  • 歴史…2冊
  • 政治思想…1冊
  • 美術…1冊
  • 旅行・紀行…2冊
  • 建築…2冊
  • 音楽…1冊
  • 映画…1冊

No. 書影 書名 著者 出版社 コメント
1. 中世ヨーロッパの都市の生活 (講談社学術文庫) 『中世ヨーロッパの都市の生活 (講談社学術文庫)』 J・ギース、F・ギース 講談社 西欧中世歴史読物シリーズ第二弾。このシリーズの親しみやすさは、著者夫妻がアカデミズム史家ではなく、中世愛好家…であることに起因するんじゃないかと。文章の端々に愛着を感じるんだよね。
2. 信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件 『信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件』 アントニア・フレイザー 慶應義塾大学出版会 (日本では)名高い…とは言い難い「火薬陰謀事件」をスリリングに読ませてしまう著者の筆力に脱帽。まるで「24 -TWENTY FOUR-」を見ているかのよ〜だ。
3. 顧問官の政治学―フランシス・ベイコンとルネサンス期イングランド 『顧問官の政治学―フランシス・ベイコンとルネサンスイングランド 木村俊道 木鐸社 「火薬陰謀事件」と同時代の哲学者フランシス・ベーコンの政治家としての一面。政治と哲学は遠いようで、西欧ではプラトン以来、近しい伝統があるのかもしれない。
4. 蒐集 (Kenkyusha‐Reaktion Books) 『蒐集』 ジョン・エルスナー、ロジャー・カーディナル(編) 研究社出版 蒐集論の古典といえばクシシトフ・ポミアンの『コレクション』だろうが、より間口の広い本書の方が読みやすい。アンソロジー(論文集)なので、興味あるものだけ摘み読みするもヨシ。
5. ロンドンの小さな博物館 (集英社新書) 『ロンドンの小さな博物館 (集英社新書)』 清水晶子 集英社 ロンドンのミニだが"濃い"博物館を訪ね歩く。この手の紹介本につきものなお手軽さとも、偏執的なマニアックさとも違う、いい意味でのバランスの取れた本。
6. 中国の小さな古鎮めぐり (私のとっておき) 『中国の小さな古鎮めぐり』 清水安雄 産業編集センター そこに行きたい…という気にさせるのが、すぐれた旅行本の条件だと言われれば、本書はまさにソレ。ビッグな中国の大地にひっそりとたたずむミニマムでローカルな場所を訪れる旅。手作り感覚の旅。
7. 建築のハノイ―ベトナムに誕生したパリ 『建築のハノイ 増田彰久(写真)、大田省一(文) 白揚社 植民地様式…というと、どうしてもネガティブな連想が働きやすいが、正統的な建築にはない"崩れた"美しさがあるのも事実。加うるに異質な南国の風土との取り合わせ。それを見事に切り取る写真の美しさ。
8. 完璧な家 『完璧な家』 ヴィトルト・リプチンスキ 白水社 パラーディオ建築の研究書は数あれど、パラーディオの住宅建築をしつこいぐらい訪ね歩き、さらにその魅力を解き明かすために貸し切って短期滞在しました…という本書ほどおもしろい本はそうそうない。
9. イタリア・オペラ史 『イタリア・オペラ史』 水谷彰良 音楽之友社 その誕生から現在までイタリア・オペラの歴史をたどる概説書。これを読むと今までのイタリア・オペラ史がいかに19世紀の音楽史観に歪められた、不完全なものだったかが分かる。今後のメルクマールとなる本。
10. 鏡の国の少年たち―世界映画に見る少年愛の水脈 『鏡の国の少年たち』 渡部実 三一書房 ぶっちゃけ美少年映画論…なのだが、単に美少年・美男スターにキャーという(女性向き)ミーハーで底の浅い本ではなく、著者の美学に底打ちされた映画論になっている。