この本10冊―2008年(文芸書)

  • ミステリー…2冊
  • 文学評論…2冊
  • 文学書…5冊
  • 児童文学…1冊

No. 書影 書名 著者 出版社 コメント
1. シェルター 終末の殺人 (ミステリ・フロンティア) 『シェルター 終末の殺人』 三津田信三 東京創元社 アガサ・クリスティーそして誰もいなくなった』と終末SFへのオマージュ? パロディー?
2. カンタン刑 式貴士 怪奇小説コレクション (光文社文庫) 『カンタン刑(光文社文庫)』 式貴士 光文社 原作漫画まで収録して式ワールドをお手軽に提供してくれた壮挙に拍手。中身は思いっきり人を選ぶから万人にオススメできないけど。
3. 人はなぜ日記を書くか 『人はなぜ日記を書くか』 大島一雄 芳賀書店 人はなぜ日記を書くか、俺はなぜダイアリーを更新しないのか(笑)。日記をつけるという行為そのものに着目した日記論で、つねづね日記という行為そのものに興味のあるワタクシにとっては読みごたえがあった。
4. チェーホフ (岩波新書) チェーホフ岩波新書)』 浦雅春 岩波書店 四大劇の名匠…ではなくて、膨大な短篇を書きまくった売文業者としてのチェーホフ像を提示したのが新鮮。もちろんチェーホフ入門書としても優れている。
5. ブリタニキュス ベレニス (岩波文庫) 『ブリタニキュス ベレニス(岩波文庫)』 ジャン・ラシーヌ 岩波書店 訳者の膨大な注釈と解説込みで出してくれたことにマジで感謝!
6. オペラ座毒ガス殺人事件 オペラ座毒ガス殺人事件』 ヨーゼフ・ハスリンガー 筑摩書房 現代オーストリア文学。タイトルはいかにもイロモノだが内容は…う〜ん、ある意味タイトルの印象を裏切らないかもしれない。ウィーンの闇。人種問題。ヘイトクライム。テロ。読後にたとえようのない後味の悪さが…。
7. ウィーンの内部への旅―死に憑かれた都 『ウィーンの内部への旅―死に憑かれた都』 ゲルハルト・ロート 彩流社 現代オーストリア文学。闇のウィーン。紀行、エッセイ、小説ともつかない文章でつづられるエピソードの数々は、まるでカフカの文学を思わせる不条理な世界。まあ、単にウィーン案内本として読んでもいいだろうが。
8. バートルビーと仲間たち バートルビーと仲間たち』 エンリーケ・ビラ=マタス 新潮社 文学者の"書けない病"分析。ロバート・バートンのThe Anatomy of Melancholy(『憂鬱の解剖学』)へのオマージュかね? ラテンアメリカ文学はイロモノぞろいですな…ボルヘス以来の伝統なのかしらん。
9. 図書館 愛書家の楽園 『図書館 愛書家の楽園』 アルベルト・マングェル 白水社 ラテンアメリカ文学。なので一応、図書館論、エッセイの体裁を取っているが、ぐるぐる巡る連想の飛躍を楽しんでいくという、そういう本。ちなみに著者はボルヘスに師事した作家で、図書館員だそうな…な〜る納得。
10. ルガルバンダ王子の冒険―古代メソポタミアの物語 (大型絵本) 『ルガルバンダ王子の冒険―古代メソポタミアの物語』 キャシー・ヘンダソン(文)、ジェイン・レイ(絵) 岩波書店 太古の息吹きを絵と文に感じよ。こればっかりは見てもらうしかない。