この本10冊―2008年(その他)

  • 情報・メディア…1冊
  • 哲学…1冊
  • 地理・地質…1冊
  • 美術…1冊
  • 歴史…4冊
  • 建築…2冊

No. 書影 書名 著者 出版社 コメント
1. ニュースの読み方使い方 (新潮文庫) 『ニュースの読み方使い方(新潮文庫)』 池上彰 新潮社 週刊こどもニュースの初代おとうさん。この人の説いていることは情報論の基本中の基本だが、応用にひと工夫があるのと、その"説き方"がミソ。
2. 言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書) 『言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの(講談社現代新書)』 丸山圭三郎 講談社 こちらは一読で理解できるほど甘くはないが、ただものではないと再チャレンジさせるほどの力がある。こういう本を新書の書きおろしで出すことに痺れる。
3. 洞窟探検入門 (文庫クセジュ) 『洞窟探検入門(文庫クセジュ)』 エリック・ジッリ 白水社 洞窟探検といえば(男の)ロマンですね。もちろんキチンとした入門書なのだが、門外漢にも紙上バーチャル洞窟探検気分を味あわせてくれるオツな本。
4. ジョルジョ・ヴァザーリ―メディチ家の演出者 ジョルジョ・ヴァザーリメディチ家の演出者』 ロラン・ル・モレ 白水社 もう『芸術家列伝』だけの男とは言わせない? 『列伝』だけでなく、画家、建築家、アートディレクター、宮廷人…と彼の多面性をフォローした大著。彼もまたルネサンスの万能人だったのだ…。
5. 幕末下級武士の絵日記―その暮らしと住まいの風景を読む 『幕末下級武士の絵日記―その暮らしと住まいの風景を読む』 大岡敏昭 相模書房 さしずめ江戸時代の「貧しいながらも楽しいわが家」生活記録だろうか? 元禄御畳奉行はまがりなりにも大藩の藩士だし。絵心のある人だったらしく、バイトで絵を描くこともあったらしい。俳画のような味わい。
6. フェニキア人 (世界の古代民族シリーズ) フェニキア人(世界の古代民族シリーズ)』 グレン・E・マーコウ 創元社 このテーマの決定版となる本か? ハンニバルポエニ戦争の華やかなイメージで、どうしてもカルタゴ(植民市)中心になってしまうところを、あえてレヴァント本土の諸都市に重点を置いてみせた見識に拍手。地味ながら好著。
7. 戦争の世界史―技術と軍隊と社会 『戦争の世界史―技術と軍隊と社会』 ウィリアム・H・マクニール 刀水書房 すくなくとも日本の外では、軍事史は軍オタの玩弄物ばかりでなく、正統な学問としても認知されているらしい。ある意味、(戦争)技術の世界史ともいえる内容。細部のツッコミはさておき、この気宇壮大さに痺れろ!
8. 第三帝国の要塞―第二次世界大戦におけるドイツの防御施設および防衛体制 第三帝国の要塞―第二次世界大戦におけるドイツの防御施設および防衛体制』 J・E・カウフマン、H・W・カウフマン 大日本絵画 出版元がアレだったり訳がアレだったりして損しているが、このテーマについての文献としてはしっかりした内容だと思う。
9. ギブ・ミー・シェルター!―もしも”その翌日”にも生き残りたいのなら (1984年) 『ギブ・ミー・シェルター!―もしも”その翌日”にも生き残りたいのなら』 ピエール・フランソワ・デレム 松文館 核シェルター本。鹿爪らしく論じるというスタンスではなく、洒落と風刺で笑い飛ばそうという、いかにもおフランスエスプリに満ちた内容。写真コラージュのビジュアル感覚とか日本の反戦反核団体も見習って欲しい。
10. 巨大高層建築の謎 (サイエンス・アイ新書) 『巨大高層建築の謎(サイエンス・アイ新書)』 高橋俊介 ソフトバンククリエイティブ 豊富なビジュアル(図版オールカラー)とわかりやすい内容。お手頃な入門書としてあげとく。やや構成が散漫なところが気になるとはいえ。